公開: 2024年7月11日
更新: 2024年7月11日
一般的に国際為替市場で、ドル高になる局面では、円の為替は、相対的に円安になります。その場合、ニューヨーク証券取引所での平均株価に対する、東京証券取引所での平均株価は、円安が進む以前の平均株価よりも、株高になります。これは、ニューヨーク証券取引所と東京証券取引所との両証券取引所に上場している同一企業の株は少なくありません。特に、日本の大企業の場合、その確率は高くなります。その代表的な例が、トヨタ自動車です。
同じ企業の株価が、ニューヨーク証券取引所で、1株1,000ドルだったとします。為替市場での円ドル為替価格が、1ドル100円から1ドル120円に変化したとします。同じ企業の東京証券取引所での株価は、1株100,000円から1株120,000円へと上昇します。それは、その企業の株を買っている企業などの株主は、東京証券取引所の株価が、円安のため、非常に安くなったからです。そのため、為替の差を利用して、その企業の株を取得することで、多額の利益を生み出せるからです。
このような仕組みから、世界の株式市場で売り買いされている株式は、株価と為替市場で決まる世界的な統一株価で評価すると、全て、ほぼ同じ株価に近づく傾向があります。現在、東京証券取引所の平均株価が、高い値を保っている理由は、日本円が記録的な低価格になっているからです。それは、日本経済が良い状態にあるからではなく、円が安いからです。これは、日本経済の将来が明るいからではなく、実は、日本経済の将来に期待が持てないからです。